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同じフレーズの繰り返し。その効用。

 講演会での話をじっくり聴いていて、話者が同じことを2度3度繰り返し話していることに気づきました。
 「これ、ブレインコピーっていうんだけど、知ってました?ブレインコピー。ブレコピ」とか。
 これ、聴衆者に向けて「大事ですよ」と訴えかける意味もあるとは思いますが、それよりも、話者が自分の言ったことを自分自身で確認している作業でもあると思います。
 自分で発した言葉をもう一度自分に戻して確認して念押し。
 人は話すことで自分を発見できます。特にしっかりと傾聴してくれる人がいてくれると、「えっ、私ってこんなこと考えてたんだ!」と、自分を再発見できたりします。
 思考の流れの中で出てきた言葉「ブレインコピー」を自分に問いかける。「ブレインコピー、だよね?」。「うん、うん、それでいい。ブレコピ」
 この作業って大事。自分自身への理解が深まる。適切な言葉だったか確認できる。そして、その言葉を自分の(思考の)引き出しに収納できる。
 この逆のパターンがある。立て板に水の話。ペラペラ。スラスラ。
 この「立て板に水」は、事前に用意しておいた情報、事前に意図していた筋書き通りである可能性が高い。いわゆるノウハウもの。
 このノウハウものは心に残らない。腑に落ちない。聞いても聞こえていない、見ても見ていない、頷いても納得していない。
 自分の心に人の心に訴えかける同じフレーズの繰り返し、言い換え。
 よく聴いてごらん。よく見てごらん。よく読んでごらん。
 ほら、この文章も。 

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