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「ピンポ〜ン」ひとつにも味がある

 昨日の午前中のことでした。家におりますと、小さく「ピンポ〜ン」と玄関呼出チャイムが鳴りました。出てみると、布団綿打ち直しの営業マン。「うちはいりません。ありがとうございます」と丁寧にお断りして帰ってもらいました。この、断るときには丁寧に「ありがとうございます」の言葉を添えて、ってのもコツの一つなんですが、それはこちらに置いといて。
 「ははぁ〜ん。なるほどぉ〜」と気付いたことがあります。
 近所の方とか家族が「ピンポ〜ン」する音と、その営業マンが「ピンポ〜ン」する音が明らかに違っていたんです。機械が鳴らす音なので、そんなことあるはずないと言われそうですが、確かに明らかに違ってました。
 具体的に言えば、音が小さく聞こえた。「あれっ、鳴ったかなぁ」くらい。さらに言えば、おそるおそるの気配が音に宿っていた。
 私も営業マンの経験ありますので、「ははぁ〜ん!」と思ったわけです。
 研修で教えられたことで、外回りするときは「この私が来ているんだから出てきて当たり前でしょ」という気持ちでピンポンしなさいというのがあります。
 実際に私、やってました、その気持ちで。そうすると、ゆっくり落ち着いて深く長くピンポンできるんです。「ピン、ポ〜〜ン」って感じ。
 同じ条件での比較はできませんので厳密には言えないんですが、うまくいくケースが多かったです。
 そういう気持ちでいることで自分自身の心構えが違ってくるということかもしれませんし、実際にピンポ〜ンが相手に影響を与えているのかもしれません。でも、有効な面談につながっていった感触はあります。
 で、今回の営業マンです。明らかに遠慮気味なピンポンでした。そして、お会いしてみても遠慮気味で「すみません、ごめんなさい」的な印象を受けました。すごくいい人で、まじめな人なんだと思います。だから、私も丁寧にお断りできたのかもしれませんね。
 どちらが良いとか悪いとかいうのは別にして、たかが「ピンポ〜ン」にも表情があるということ。

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