ゆっくり走れば強くなる!
「ワープする読み物」で三題噺をやってみたいなぁと思ってて、探したらiPhoneアプリの「三題噺」というのを見つけました。で、起動したら、いきなり「マラソン」「眠れる」「スカウト」の三題が示されました。びっくり。それでは、始めます。
「ゆっくり走れば速くなる」という本が一時期話題になったことがあります。その本は、本格的なトレーニングの一つとしてゆっくり走ることを取り入れる趣旨だったと記憶してますが、私にもそれに似た経験がありますので披露いたします。レベルこそ天と地ほど違いますが。
40歳を目前に控えたある日から走ることに目覚めて、けっこうまじめにロードをジョギングしてました。たしかキロ8分超で走っていたはずです。まあ、ゆっくりペースですよね。
それから約1年たった時、当時の職場の駅伝チームが地元の大会に出場しまして、私が1区を任されました。無謀だと思ったんですが、「まあいいか、任せたほうの責任だもんね」と思い承諾しました。
それまで大会なんてものに出たこともない人間でしたので、どんな格好をしたらいいかも分かりません。なので監督に訊いたら「ランナーはランニングシャツに短パンだ」とのこと。信じましたよ。私、素直だから。
1月初旬の寒風吹きすさぶ中、ランシャツに短パンでスタート地点に並んだ私。で、他の選手を見たら、長袖の人ばかり。半袖の人もいましたが、肩丸だしのランニングシャツを着ているのはほぼ私一人。そして皆さん、手袋をしてるじゃないですか。ずる〜い。
号砲は待ってくれません。私は一番後方から恐る恐るスタートを切りました。
途中、雪も降り出しました。肩も手も凍えてきます。監督を恨みましたよ。
でも、なんだか調子いい。意外と速く走れている。中位置くらいで襷を渡しました。
結果的にはキロ4分ちょうどくらいのタイムでした。日頃キロ8分くらいでしか走ってないのに、キロ4分で走り切れた。ちょっと自分でも衝撃でした。びっくり。
そのとき「ゆっくり走れば速くなる」を実感したんです。レベルは違いますよ、レベルは。繰り返し言いますが。
で、ジョグトリップ。
参加資格に「ゆっくり走れる方」を謳い、じっさい皆さんにはゆっくりのんびり走ってもらってます。
もちろん、まったく走ったことがなくてジョグトリップに参加し始めた方も多数いらっしゃいます。
そんな方たちが、すごいことになってたりするんです。1年から2年位のうちに100キロ超ランナーとなり、それもそこそこのペースで走りきれるスーパーランナーに変貌を遂げたりしてるんです。決してスーパー速いってことはないんですが、確実に「強い」ランナー。(それでも、ジョグトリップ参加の時はゆっくり走ってもらいますけどね)
そんな方たちを見ていて思ってるんです。「もしかしたら、エリートランナーを目指している人にもジョグトリペースは有効なのではないか?」
高校生くらいのうちにジョグトリップに参加して(保護者同伴!)徹底的にゆっくり走り込んで体の器を大きく強くしておいたら、眠れる才能が目覚めて、大学社会人と進むにつれてすごく速くなるんじゃないか。大器晩成。
あくまでも素人の戯れ言ですよ。仮説。でも、そのうちジョグトリッパーに実業団からスカウトが来たりしたら楽しいなぁ、と夢想するわけです。
以上、「マラソン」「眠れる」「スカウト」の三題噺でした。お粗末。